ポリマー製品

特殊ナイロン

AQナイロン (水溶性ナイロン)

1. 概要・基本特性

(1) AQナイロンは水やアルコールに溶解する機能を付与した変性ポリアミドで、特性の異なる3タイプ、4品種があります。
  • Pタイプは水溶性で軟質、高伸度という特徴があり、この性質を生かして風合や軟らかさを重視する分野にご利用いただけます。
  • Aタイプはナイロン並の硬度を有する可溶性ナイロンで、硬さ、強さが要求される分野にご利用いただけます。
  • TタイプはPタイプとAタイプの中間程度の性質を有しています。
(2) エポキシ樹脂、イソシアネート化合物、ブロックイソシアネート及びエチレン尿素系架橋剤と反応し、硬化させることができます。
(3) A-90品種とP-70品種はペレット、P-95品種とT-70品種は50%水溶液として提供しております。
(4) 各品種の基本特性を下表に記載します。水溶液タイプのP-95およびT-70は水分を取り除いた際のポリマー性質を示しています。

表1 ポリマーの形状、基本特性

項目 試験方法 単位 品種
A-90 P-70 P-95 T-70
製品形状 ペレット ペレット 水溶液 水溶液




比重 ASTM D792 g/cm3 1.1661 1.1366 - 1.1752
硬度
(ショアーD)
K7215 (絶乾) Dスケール 81 35 - -
K7215 (平衡水分) Dスケール 52 27 - -
吸湿率 26℃、65%RH % 31 28 33 33



軟化点 DSC - 85 18, 43 142
ガラス転移点 DSC 47 -46 -46 -22
比熱(23℃) DSC J/g℃ 1.3 2.4 2 1.8
ビカット軟化温度 K7206 A法(絶乾) 56.4 69.3 - -
K7206 A法(平衡水分) >30 >30 - -
加熱重量減少率
(5%重量減少温度)
TG-DTA
RT~750℃
390 385 390 385




引張降伏強さ ASTM D638(絶乾) MPa 70.4 5.7 - -
ASTM D638(平衡水分) 6.8 4.2 - -
降伏伸度 ASTM D638(絶乾) % 4.7 26.3 - -
ASTM D638(平衡水分) 3.9 - - -
破断伸度(%) ASTM D638(絶乾) % 41.0 >200 - -
ASTM D638(平衡水分) >200 >200 - -

注)平衡水分での測定値は23℃、50%RHの吸水条件(ASTM D570)での試験片平衡水分(A-90品種:4.7%、P-70品種:4.4%)における物性測定値。 水溶液タイプ(P-95品種、T-70品種)の数値記載の無い項目は、水分除去後ポリマーからの試験片作成が困難のため、測定不可。

2. ポリマーの性質(詳細)

3. 安全性

水溶性を示すポリマーは、しばしば魚類に対して毒性を持つものが見受けられます。このAQナイロンは、この点を重視し、安全性、特に長期間低濃度での魚類に対する毒性に注目し、検討いたしました。
下表に示しますように哺乳類に対する急性毒性(LD50)や魚類に対する急性毒性(LC50)、長期毒性は非常に小さく安全な物質であるといえます。
また、皮膚に対する刺激性および変異原性の試験結果についても安全性に問題はありません。

表2 ポリマーの急毒性、魚毒性試験

項目 評価方法 A-90 P-70 P-95 T-70
経口毒性 LD50、ラット 10 g/kg 10 g/kg - 5 g/kg以上
急毒性 LC50、グッピー 3,200ppm以上 10,000ppm以上 - 1,000ppm以上
長期魚毒性 社内試験 5ppm、7週間
全く影響なし
5ppm、7週間
全く影響なし
- -
急性皮膚刺激性 EC基準に準ずる
ラット
刺激性なし 刺激性なし 刺激性なし 刺激性なし
変異原性 - 陰性
(非GLP)
陰性
(非GLP)
陰性
(非GLP)
陰性
(サルモネラ菌)
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AQナイロン (水溶性ナイロン)

1. 概要・基本特性

(1) AQナイロンは水やアルコールに溶解する機能を付与した変性ポリアミドで、特性の異なる3タイプ、4品種があります。
  • Pタイプは水溶性で軟質、高伸度という特徴があり、この性質を生かして風合や軟らかさを重視する分野にご利用いただけます。
  • Aタイプはナイロン並の硬度を有する可溶性ナイロンで、硬さ、強さが要求される分野にご利用いただけます。
  • TタイプはPタイプとAタイプの中間程度の性質を有しています。
(2) エポキシ樹脂、イソシアネート化合物、ブロックイソシアネート及びエチレン尿素系架橋剤と反応し、硬化させることができます。
(3) A-90品種とP-70品種はペレット、P-95品種とT-70品種は50%水溶液として提供しております。
(4) 各品種の基本特性を下表に記載します。水溶液タイプのP-95およびT-70は水分を取り除いた際のポリマー性質を示しています。

<ポリマーの形状、基本特性>

項目 試験方法 単位 品種
A-90 P-70 P-95 T-70
製品形状 ペレット ペレット 水溶液 水溶液




比重 ASTM D792 g/cm3 1.1661 1.1366 - 1.1752
硬度
(ショアーD)
K7215 (絶乾) Dスケール 81 35 - -
K7215 (平衡水分) Dスケール 52 27 - -
吸湿率 26℃、65%RH % 31 28 33 33



軟化点 DSC - 85 18, 43 142
ガラス転移点 DSC 47 -46 -46 -22
比熱(23℃) DSC J/g℃ 1.3 2.4 2 1.8
ビカット軟化温度 K7206 A法(絶乾) 56.4 69.3 - -
K7206 A法(平衡水分) >30 >30 - -
加熱重量減少率
(5%重量減少温度)
TG-DTA
RT~750℃
390 385 390 385




引張降伏強さ ASTM D638(絶乾) MPa 70.4 5.7 - -
ASTM D638(平衡水分) 6.8 4.2 - -
降伏伸度 ASTM D638(絶乾) % 4.7 26.3 - -
ASTM D638(平衡水分) 3.9 - - -
破断伸度(%) ASTM D638(絶乾) % 41.0 >200 - -
ASTM D638(平衡水分) >200 >200 - -

注)平衡水分での測定値は23℃、50%RHの吸水条件(ASTM D570)での試験片平衡水分(A-90品種:4.7%、P-70品種:4.4%)における物性測定値。 水溶液タイプ(P-95品種、T-70品種)の数値記載の無い項目は、水分除去後ポリマーからの試験片作成が困難のため、測定不可。

2. ポリマーの性質(詳細)

3. 安全性

水溶性を示すポリマーは、しばしば魚類に対して毒性を持つものが見受けられます。このAQナイロンは、この点を重視し、安全性、特に長期間低濃度での魚類に対する毒性に注目し、検討いたしました。
下表に示しますように哺乳類に対する急性毒性(LD50)や魚類に対する急性毒性(LC50)、長期毒性は非常に小さく安全な物質であるといえます。
また、皮膚に対する刺激性および変異原性の試験結果についても安全性に問題はありません。

<ポリマーの急毒性、魚毒性試験>

項目 評価方法 A-90 P-70 P-95 T-70
経口毒性 LD50、ラット 10 g/kg 10 g/kg - 5 g/kg以上
急毒性 LC50、グッピー 3,200ppm以上 10,000ppm以上 - 1,000ppm以上
長期魚毒性 社内試験 5ppm、7週間
全く影響なし
5ppm、7週間
全く影響なし
- -
急性皮膚刺激性 EC基準に準ずる
ラット
刺激性なし 刺激性なし 刺激性なし 刺激性なし
変異原性 - 陰性
(非GLP)
陰性
(非GLP)
陰性
(非GLP)
陰性
(サルモネラ菌)

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