ポリオレフィン発泡体 トーレペフ®
トーレペフ®は電子線架橋による半硬質・独立気泡の長尺シート状発泡体です。
軽量、断熱性、緩衝性、成形性、非吸水性等の特長を生かして、自動車成形内装部品、建築用断熱材、目地材、パイプカバー、その他産業資材、生活用品、健康・スポーツ用品などの分野で幅広く使用されています。
概要と特長
トーレペフ®とは
トーレペフ®は、東レ株式会社が独自の製造技術によって開発した電子線架橋ポリオレフィンフォームの登録商標です。昭和43年に上市し、以来様々な用途にご利用頂いております。当初はポリエチレンフォームが主体でしたが、その後、柔軟グレード(EVA)や難燃グレード、耐熱性のあるポリプロピレンフォーム等高機能グレードを開発、上市しております。
トーレペフ®は100%独立気泡構造を有する発泡倍率5~50倍の長尺シート状の発泡体であり、クッション性、緩衝性、断熱性、耐水性、化学的性質に優れており、用途も多岐にわたっています。
ポリオレフィン発泡体トーレペフ®の特徴
優れた緩衝性
柔軟性と復元性に富み、衝撃エネルギーの吸収性に優れています。また、独立気泡のため快適なクッション性と硬さを兼ね備えています。
優れた断熱性
熱伝導率、吸水率、透湿率が極めて小さく、断熱材、保温・保冷材として優れています。
優れた防水性、浮揚力
独立気泡構造のため吸水せず、防水性・防湿性に優れており、かつ大きな浮揚力を有します。
優れた美観性
電子線による架橋処理をしており、気泡のキメが細かく表面がなめらかです。
優れた加工性
カット、スライス、成形、接着などの加工が容易です。
優れた耐薬品性
他のプラスチック発泡体に比べ化学品、薬品の影響をほとんど受けません。
トーレペフ®の加工
カット、打ち抜き
カットはバーチカルカッターの使用が一般的ですが、もちろんハサミ、カミソリでも簡単にカットできます。
また打ち抜き、穴空けなどの加工はトムソン打ち抜き機などが利用できます。
スライス
回転ナイフを利用したスライスマシーンで容易にスライスできます。
熱融着
ペフ同士、又は鉄板やアルミニウム板などは熱融着が可能です。熱風ガンやテフロンコーティングした熱板を利用すれば簡単に作業できます。
接着
ペフと相性の良い代表的な接着剤は下記のとおりです。
名称 | 製造元 | 成分 | 希釈剤 | 使用法 | 他基材 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
ダイアボンド DC-761D(夏用) DC-6105(冬用) サイビノール EX-6E(夏用) EX-8(冬用) |
ノガワケミカル サイデン化学 |
クロロプレン系 | トルエン | 接着しようとする両面に塗布し十分乾燥させた後に貼り合わせる。 | 鉄板、アルミ板、 コンクリート、紙、 木材、その他 |
スプレー法、ロールコーター法、はけぬり法適用。 耐水性の良好な万能型接着剤。 |
水性ボンド7 ハイボンド DA-7662 |
住友スリーエム 日立化成ポリマ |
アクリル系 ポリエステル系 |
水 トルエン |
接着しようとする相手に片面塗布し、オープンタイムをとった後 貼り合わせる。メーカーに問い合わせ願います。 | コンクリート、その他 軟質塩ビシートに有効 |
溶剤系を使用できないところに最適。 |
また接着剤をあらかじめ弊社工場で薄くプリコートした製品(SP加工品)や接着性を向上するためのプレ処理であるコロナ放電処理加工品(EC加工品)もご用意できます。
成形
真空成形、加圧成形が可能です。
成形性はグレードによって異なりますが、PEのストレート法による絞り比は0.5程度、PPでは0.6~1.0程度となります。
表面加工
エンボス、植毛、各種印刷等の表面加工が可能です。
製品取扱い上の注意
取扱い上の注意
技術的対策
- 取扱者の暴露防止 :使用中には喫煙しないこと。
- 火災・爆発の防止 : 工具は火花防止型のものを用いる。
- 注意事項 : 通常の場合、全体の換気が良好であれば充分である。加工等で加熱した際、白煙出るケースがあるので換気設備のある装置を使用、あるいは換気設備を設ける。
- 安全取扱い注意事項 : 乱暴な取扱いや落下をさせてはならない。
保管
適切な保管条件
- 保管中に超えてはならない温度:50°C
避けるべき保管条件
- 熱から離して保管すること。
- 火災・爆発の防止 : 工具は火花防止型のものを用いる。
- 着火源から離して保管すること:禁煙
- 直射日光から離して保管する。