PPS繊維

トルコン®

製品概要・物性

素材形態
  • 原糸
  • 原綿
  • 織物
  • 編物
  • 不織布
特性
  • 耐薬品性
  • 耐加水分解性
  • 難燃性
  • 耐熱性

耐熱性だけじゃない高機能繊維

トルコン®は、PPS(=ポリフェニレンサルファイド)という耐熱性に優れた熱可塑性エンジニアリングプラスチックを原料とする高機能繊維です。融点は285℃で、190℃の連続使用に耐えます。PPS繊維は耐熱性だけでなく、酸・アルカリ・有機溶剤への高い耐性、LOI値34の難燃性も持ち合わせております。更に、他の高機能繊維にはない優れた耐加水分解性もあります。これら多くの特性を発揮する為に、原糸・原綿だけでなく、織物や不織布なと高次加工品の展開も行っており、耐熱性、耐加水分解性、耐薬品性が要求される様々な用途で注目されています。

特性

耐熱性

融点は285℃と高く、長期耐熱性も極めて優れ、190℃での連続使用にも耐えます。

耐加水分解性(耐蒸熱性)(=蒸気に強い)

160℃オートクレーブ(湿熱下)で90%以上の強度保持率を示し、アラミドにはない優れた耐加水分解性を保有しています。

優れた耐加水分解性を示し160℃x160時間以上のオートクレーブ処理後でも90%以上の強度保持率を示します
出典:社内評価

耐薬品性(=殆どの薬品に強い)

優れた耐薬品性は、フッ素繊維に匹敵。200℃以下の状況では、ほとんどの酸(濃硝酸など一部の酸化剤を除く)、アルカリ、有機溶剤にも安定した特性が認められます。

トルコン® メタアラミド パラアラミド PET ナイロン66
耐アルカリ性 ×
耐酸性 × × ×
耐有機溶剤性
  • 200℃以下ではほとんどの酸(濃硝酸など一部の酸化剤除く)、アルカリ、有機溶剤にも安定しており、優れた耐薬品性を示します。
  • 出展:社内評価

難燃性(=燃え難い)

火に対しても燃えにくく、高い自己消火性を示します。[LOI(限界酸素指数)=34]

LOI値(限界酸素指数)34と、空気中(酸素濃度21%)では高い自己消火性を示します。
*LOI値:燃焼し続けるために必要な酸素濃度の最小値を表し、この濃度より酸素濃度が小さいと燃え続けません。

電気特性

高温・高湿・高周波数のもとで、常に安定した電気的性質を示します。

物性データ

一般物性


  PPS Mアラミド PTFE ポリイミド ガラス PET
比重 (g/cm3) 1.3 1.4 2.3 1.4 2.5 1.4
引張強度 (cN/dtex) 4~5 5~6 1.9 3.7 4.3 5.5
弾性率 (cN/dtex) 23~60 49~126 4~17 29 290 22~62
伸度 (%) 20~30 25~35 24 30 4 30
融点 (℃)(分解温度) 285 (371) 327 (500) - 256
連続使用温度 (℃) 190 210~230 260 260 260 120
耐酸性 ×
耐アルカリ性 × ×
耐有機溶剤 ×
難燃性(LOI) 34 30 65 38 不燃 20
耐蒸熱性 × × ×
公定水分率 (%) 0.2 4.5 0 0.3 0 0.4
熱伝導性 (W/mK) 0.2 0.15 0.25 0.18 1.03 0.2~0.3
誘電率 (10^6Hz) 3.6 2.5 2.1 3.2~3.5 4~6 2.8
電気抵抗 (Ωcm) 10^18 10^10 >10^18 10^16 10^10~
10^14
10^17
  • 出典:繊維便覧、産業用繊維材料ハンドブック、産業用繊維資材ハンドブック、エンジニアリングプラスチックス、社内評価結果

このページで紹介している物性や用途は一例です。お客様のご要望に合わせて、様々な品種でご提案いたします。是非お問い合わせください。