PBT樹脂 トレコン®

テクニカル情報 | 熱的性質

熱的性質

表6にPBT樹脂トレコン®の熱的性質を示します。

表6 東レPBT樹脂トレコン®の熱的性質
項目 単 位 非強化グレード ガラス繊維強化グレード
1401×06 1101G-30
融 点   °C 224 224
線膨張係数   10-5/°C 9.4 2.0
荷重たわみ温度 0.45MPa °C 154 220
  1.82MPa °C 58 212
崩形温度   °C 190 220

Ⅰ. 荷重たわみ温度

さきに記述しましたように東レPBT樹脂トレコン®は融点が高く(224°C)、比較的低い荷重下では非強化グレードでも高い荷重たわみ温度を示します。
また、ガラス繊維強化グレードは高荷重下でもほとんど融点に近い荷重たわみ温度(212°C)を示します。
図13に無荷重での崩刑温度を示しますが、非強化グレード1401×06では190°C、ガラス繊維強化グレード1101G-30では220°Cときわめて高い値を示しします。
後述しますが、東レPBT樹脂トレコン®は高温下での耐熱劣化特性が他の熱可塑性樹脂に比較して最も優れています。このため長時間高温にさらされる用途に最も適した樹脂といえます。
図14、図15に各種樹脂の荷重たわみ温度を示します。

図13 各種プラスチックの崩形、熱変色温度

図13 各種プラスチックの崩形、熱変色温度

図14 各種プラスチック(強化タイプ)の荷重たわみ温度(荷重1.82MPa)

図14 各種プラスチック(強化タイプ)の荷重たわみ温度(荷重1.82MPa)

図15 各種プラスチック(非強化タイプ)の荷重たわみ温度(荷重0.45MPa)

図15 各種プラスチック(非強化タイプ)の荷重たわみ温度(荷重0.45MPa)

Ⅱ. 耐熱劣化性

東レPBT樹脂トレコン®は長時間高温下にさらされても物性低下は小さく、耐熱劣化特性がすぐれています。
図16-1~3、図17に東レPBT樹脂トレコン®の乾熱劣化特性を示します。
ガラス繊維強化グレード1101G-30は130~150°Cの連続使用に耐え、短時間または間けつ的であれば、200°Cでも使用可能です。
非強化グレード1401×06でも120~140°Cの連続使用に耐えることができ、短時間または間けつ的であれば170°Cでも使用可能です。

  • 図16-1 1401×06の乾熱劣化特性(130°C) 図16-1 1401×06の乾熱劣化特性(130°C)
  • 図16-2 1401×06の乾熱劣化特性(130°C) 図16-2 1401×06の乾熱劣化特性(130°C)
  • 図16-3 1401×06の乾熱劣化特性(130°C) 図16-3 1401×06の乾熱劣化特性(130°C)
  • 図17各種ガラス繊維強化樹脂の乾熱劣化特性 図17 各種ガラス繊維強化樹脂の乾熱劣化特性

Ⅲ. 耐ハンダ性

東レPBT樹脂トレコン®ガラス繊維強化グレード'1101G-30は熱可塑性樹脂の中でもすぐれた耐ハンダ性を有し、 短時間であれば260°C以上の温度に耐えます。
表7に各種ガラス繊維強化樹脂の260°Cにおける耐ハンダ性を示します。

表7 各種ガラス繊維強化樹脂の耐ハンダ性(260°C)
樹脂名 許容浸漬時間(s)
1101G-30 3
PET G30 2
ナイロン6 G30 2
変性PPO G30 1以下

Ⅳ. 線膨張係数

図18 各種材料の線膨張係数

図18 各種材料の線膨張係数

東レPBT樹脂トレコン®のガラス繊維強化グレード1101G-30の線膨張係数は2.0×10-5/°Cと熱可塑性樹脂の中で小さい方であり、アルミや亜鉛に近い値 を示します。このため用途によってはアルミダイカストや亜鉛ダイカストの代替も可能です。
図18に各種材料の線膨張係数を示します。