ポリマー製品
特殊ナイロン
AQナイロン (水溶性ナイロン) ポリマーの性質(詳細)
各種溶媒への溶解性
表1に各種溶媒への溶解性をまとめました。
- 濃度はポリマー10g/100ml溶媒(約9wt%)に一定とした例を示しましたが、水、アルコールにはさらに高濃度でも溶解し、50wt%以上(ポリマー:溶媒=1:1wt比以上)の高濃度溶液の調整も可能です。
- 表に示しましたように、水、アルコール類、クロロホルム、DMSO、DMFなど極性の強い溶媒へは易溶ですが、エーテルやケトン、エステル、芳香族炭化水素には溶解しません。 しかし、これらの溶媒とアルコール等の易溶性溶媒との混合溶媒には可溶となる場合があります。
- 50〜80℃程度で一旦溶解しますが、冷却すると全体がゲル状となる場合がありますので、表には冷時ゲル化と表示しました。
表1 AQナイロンの各種溶媒への溶解性
溶媒 | A-90 | P-70 | P-95 | T-70 |
---|---|---|---|---|
水 | ○ | ○ | ○ | ○ |
エチレングリコール | ○ | ○ | ○ | ○ |
ベンジンアルコール | ○ | ○ | - | - |
酢酸 | ○ | ○ | ○ | ○ |
イソプタノール | ○ | ○ | - | - |
イソプロパノール | ○冷時ゲル化 | ○冷時ゲル化 | ○ | ○ |
クロロホルム | 二相分離 | ○ | ○ | ○ |
DMSO | ○冷時ゲル化 | ○ | - | - |
エチルセロソルプ | ○ | ○冷時ゲル化 | - | - |
N-メチルピロリドン | ○冷時ゲル化 | ○ | - | - |
アセトニトリル | × | × | - | - |
DMF | ○冷時ゲル化 | ○冷時ゲル化 | ○ | ○ |
酢酸セロソルプ | × | × | - | - |
四塩化炭素 | × | × | - | - |
テトラクロロエチレン | × | × | - | - |
エタノールアミン | × | × | - | - |
ジオキサン (他のエーテル類) |
× | × | - | - |
トルエン (他の炭化水素類) |
× | × | × | × |
アセトン (他の炭化水素類) |
× | × | × | 二相分離 |
酢酸エチル (他のエステル類) |
× | × | × | 二相分離 |
<測定条件> | ポリマー10gを溶媒100mlと混合し、80℃(これより低沸点溶媒の場合はその沸点で)で約3時間加熱攪拌したのち、室温(25℃)に冷却して観察したものです。 |
< 判 定 > | ○:完全に溶解、△:一部溶解、×:不溶、冷時ゲル化:室温にて放置するとゲル状になる場合 |